桜花の久遠 〜恋と愛の輪舞〜

〜プロローグ〜
今を去ること一世紀半前。この島には熱狂的なギャルゲー好きな科学者がいた。
いや、まぁね。正確にはギャルゲーをやってから科学者になったみたいだがね。
それはさておき話を進めるか。この世の中に「ギャルゲー好きな科学者」に興味を持つヤツはそうそういない
だろうからな。
その科学者がとあるギャルゲーにハマったらしく、ゲームの世界観を現実にしてみせる!
と友人方々に話したらしい。
その宣言から二十年後にその夢を手にしたと言うか、作り出した、生み出したと言うか…
うさぎにつの…もとい、とにかくだ。おっと、「とにかく」って漢字では「兎に角」って書くんだぜ!
知らんかっただろ?あっはっはっは…のわぁ!かなり脱線してしまった。
こんどこそとにかくだ!科学者が作り生み出した夢…それは「永遠に花が咲く桜」簡単に言ってしまえば「春
夏秋冬、花が咲き放しの桜」だった。
余談だが、「あぁ〜あのゲームか!」と思った君!タイトルを決して言わないように。
許可を取ってないんだわこれが。はてさて、本題本題っと。
この桜をオレ達は「魔法の桜」と呼んでいる。原理は科学だ。
桜、正確にはソメイヨシノの遺伝子に手を加えたらしい。
しかし、遺伝子だの結合だの難しいことより、「魔法」という単語で片付けた方がいい。
だってさ、綺麗で夢に満ち溢れている気がするだろ?少なからずオレはそう思っている。
まぁ、オレの意見は今は関係ないから進めるか。
その科学者は「魔法の桜」を発明したことにより、「ノーベル賞」とまではいかなかったがそれなりの賞はと
ったらしい。
このことにより、国家が力を貸してくれるようになった。
さっそく、この「魔法の桜」を増やす事に入った。本来、樹木を増やすことは大量の手間と時間を消費する。
それ故に長い年月を使って事を運ぶだろうと誰しも思っていた。
だが、さすが科学!普通は苗木から何十年もたってから立派になるところ、「魔法の桜」はたったの五年で立
派な木になる。しかし、デメリットがある。
それは普通の桜に比べ、土との相性が悪いこと。土が合わないと育つ前に苗木が枯れてしまうからだ。
しかし、もの凄く相性が良い土があった。それは東京都に属する孤島があり、そこから持ちだした土だった。
因みに、「魔法の桜」と相性が良いことから、その土を「魔法の土」のと呼ばれている。
「魔法の土」のおかげで繁殖に成功した。
とうとう科学者の夢は最終段階にはいった。
神奈川県に三日月型の島を作った。大きさは東京の二十三区の面積に匹敵する、大変大きな島を作り上げた。
そして、そこに「魔法の土」と「魔法の桜」を植えた。
そして、数多の時と人力を使い島は繁栄していった。ついに二十年の時を得て科学者の夢が叶った。
それを記念して、発案者の科学者が島に名前を付けることになった。
科学者の付けた名は「夢見島」読み方は「ユメミシマ」。
名の由来は「一見、無理な夢でも夢に対し情熱と時間を注げばいつかは叶う。
そんな人が住めるように、住む人がそう思うような優しい島であるように、また夢が溢れるように。」と記念
碑に綴られている。
実際に、この島は住みやすい。島の雰囲気が暖かく心地よい、まるで一年中春に包まれ照るみたいだ。
これがオレ、君塚 弘人が住む島である。これで、島のことがわかったかな?
そして、明日から高校生活が始まる。騒がしいけれど、楽しく愉快な日々が始まりそうだ。

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